【公式テスト富士・1日目セッション1】2019王者・大嶋のWAKO'S 4CR GR Supraがトップタイム。GT300はNo.65 LEON PYRAMID AMGが最速に 6月27日(土)、2020 AUTOBACS SUPER GTの公式テストが富士スピードウェイで始まった。テストは28日(日)まで。2020年シーズンは3月14日(土)、15日(日)に岡山国際サーキットで今季最初の公式テストが行われたが、その後の新型コロナウィルス感染拡大、日本政府による緊急事態宣言発令にともない、本来であれば3月27日、28日に予定された公式テスト(富士スピードウェイ)は延期され、当初の開催スケジュールも変更を余儀なくされた。しかし、ようやくこの日に公式テストが再開。いよいよ2020年シーズン開幕戦富士大会(7月18日、19日)に向けて動き出した。 ◎走行1回目 10:00-12:00 天気/曇り>晴れ 路面/ドライ 気温25度/路面温度29度 ■午前のセッション1はGR Supraがワン・ツー。これにGT-Rが続く  GTアソシエイションから公式イベント開催に向けたロードマップが示され、各チーム、メーカーでマスクやフェイスシールドの着用、サーキット場内の“3密”の回避、ソーシャルディスタンシングの維持などさまざまな対策が講じられた中、再開の公式テストは1日目を迎えた。  GT500クラスでは、2020年エントリーの全15台が参加。GT300クラスでは、No.22 アールキューズ AMG GT3(和田久/城内政樹)とNo.35 arto RC F GT3(ショーン・ウォーキンショー/ナタポン・ホートンカム)が不参加となった。また、一部の外国籍ドライバーが各国の渡航制限により来日が叶わず。GT500クラスでは、No.17 KEIHIN NSX-GTがベルトラン・バゲットに代わって金丸ユウを、No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraがヘイキ・コバライネンの代わりに山下健太を、第3ドライバーとして登録している。  走行1回目(セッション1)は、午前10時からの2時間を予定。サーキットの天候は曇りだが、気温25度と蒸し暑い陽気で走行がスタート。3ヶ月間走ることができなったGTカーたちが、コースインしていく。各車がコースインした後、午前10時07分からは、今季からコース上のアクシデントやトラブルで導入されるFCY(フルコースイエロー)の装備動作の確認も行われた。  午前10時08分にFCYが解除され、ふたたびグリーンフラッグが振られた。ここでNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)が1分28秒848でトップとなる。この頃には晴れ間も見えはじめ、暑さも増していった。その後は、各車が開幕戦富士に向けたメニューをこなしていく。午前10時39分、ダンロップコーナーで平手がドライブするNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)が駆動系のトラブルでストップ。車両回収のため、赤旗が提示されて走行が中断となった。  走行は午前10時50分に再開。その後はアクシデントなく、走行も残り30分に。すると昨年のGT500クラスのドライバーチャンピオンである大嶋が駆るNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)が1分28秒482を記録して、計時のトップに立つ。その直後の午前11時38分、パナソニック(最終)コーナー出口のランオフエリアにNo.87 T-DASH ランボルギーニ GT3(元嶋佑弥/高橋翼)がストップしたため、2回目の赤旗となった。  走行再開は午前11時44分。1分後にはFCYの実施訓練が行われ、各車が整然とスローダウンして大きな問題なく対応していた。残り6分でNo.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)の石浦が1分28秒715にタイムアップ、2番手に浮上。その後はGT500各車のベストタイムに変動はなく、走行は予定通り正午をもって終了した。  1日目午前はNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)が1分28秒482でトップタイム。2番手にはNo.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)と、GR Supraがワン・ツーとなった。3番手にはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が続いた。Honda勢では、No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が1分29秒047で6番手につけている。 ■何度も変わるGT300トップタイム!最後はLEON PYRAMID AMGが最速に  GT300クラスは、序盤No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)の蒲生がトップタイムも、序盤TGR(第1)コーナーでコースアウトを喫したNo.7 Studie BMW M6(荒聖治/山口智英)の荒がトップタイムを更新。さらに中盤、No.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗)、今季初参戦のNo.6 ADVICS muta 86MC(阪口良平/小高一斗/堤優威)の阪口とトップタイムが書き換えられていく。  終盤、ふたたびNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生)が1分37秒458にタイムを上げると、さらに今季はGR Supraにマシンを代えたNo.52 SAITAMATOYOPET GB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)の吉田も1分37秒666を出して、3番手につけた。  GT300クラスの午前は最終的にNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)がトップタイム。No.6 ADVICS muta 86MC(阪口良平/小高一斗/堤優威)が2番手、No.52 SAITAMATOYOPET GB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)が3番手となった。  なお今回の公式テストからGT300クラスは全車がフロントウインドウ上部にオートバックスのステッカーが貼られ、これまでとは異なる雰囲気での走行となった。 GT500クラス・トップタイム 大嶋和也(No.14 WAKO'S 4CR GR Supra) レーシングカーのドライブは(公式テストの)岡山以来で実質3ヶ月ぶり。コクピットに乗りこむ直前まではすごく不安もありましたが、ピットアウトした瞬間にすぐに感覚を取り戻すことができました。クルマのフィーリングはすごく良いですし、エンジニアもたくさんいいアイデアを持ち込んでくれ、充実した最初のセッションになっています。今季は新体制となりましたが、トラブルも出ずにテストを進められていますし、自粛明けのテストとしては完璧なスタートだったのではないでしょうか。明日は天候が分からないですし、今日も気温が高いので、開幕戦に向けてしっかりとロングランも行いつつ、やれる限りのテストメニューをこなしたいですね。 GT300クラス・トップタイム 蒲生尚弥(No.65 LEON PYRAMID AMG) 実際にレーシングカーをドライブするのは3ヶ月ぶりになりますが、やはりSUPER GTカーをドライブするのはすごく楽しいですね。その喜びを噛みしめながら、午前は走りました。僕は岡山の公式テストには参加していなかったのですが、岡山でチームと菅波冬悟選手がクルマをしっかりと仕上げてくれていたので、走りはじめからフィーリングはすごくいいです。今季は開催サーキットが3つと限られる分、今回のテストは重要なものになると思います。しっかりと2日間のテストをこなして、(シリーズ各戦で)取りこぼしがないようにしたいと思っています。 <以上>